不眠症になる精神身体的原因4つ

不眠症最終更新日:2016年10月30日

不眠症とは睡眠障害の1つで、日本では約5人に1人が患っていると言われています。

主な症状としては、寝つきが非常に悪い、就寝中に何度も覚醒する、

早朝目が覚める、眠りが浅く疲労感が取れない、などがあげられます。

そのため慢性的な睡眠不足に陥り、日中眠気に襲われたり、集中力を維持できなくなったりします。

今回は、不眠症を引き起こす主な原因を4つの要因に分けて詳しく解説していきます。

1.精神的要因

不眠症になる方の多くは何らかの精神的ストレスを抱えています。

例えば仕事関係、人間関係、恋愛問題、嫁姑問題、進学、といった簡単には解決できない悩みは誰にでもあります。

しかし、悩みやストレスに対する耐性は人によって異なるため、

一時的に悩みを忘れて眠れるタイプもいれば片時も忘れることができないタイプがいるのです。

不眠症になりがちなのはもちろん後者です。

夜布団に入ってもずっと頭の中で考え事をしてしまうことが多いため、

心身共に緊張を解くことができず必然的に寝つきが悪くなり、ごく浅い眠りしか得ることができません。

誰かに対する怒りや嫉妬といった負の感情も大きな精神的ストレスになり、不眠の要因になります。

自身の内だけに閉じ込めた思いが強ければ強いほど大きな負荷となる傾向があるので、

出来るだけ我慢せず外に向かって発散する必要があります。

愚痴や他人の悪口を言わないことは美徳ですが、我慢し過ぎて体調を崩しては元も子もありません。

普段から感情を抑え過ぎず、小出しにストレスを発散するよう意識すれば心が落ち着き、安心して眠れるようになるかもしれません。

さらに、大きな喪失感を味わうような出来事(愛する人との別れやペットの死など)が要因となって不眠に陥るケースもあります。

後悔や悲しみを乗り越えるには多少の時間が必要ですが、自分自身の気持ちの整理が出来た時に不眠から脱却することができるでしょう。

2.病気や怪我の痛みなどの身体的要因

精神的な要因とは全く関係がなく、身体的な要因から不眠症になる方もいます。

例えば、病気が原因で引き起こされる体の痛みや不快感、アトピーなどによる激しい痒みなどがあげられます。

喘息を持病に持つ方であれば、夜になると咳が酷くなり呼吸すらままならないこともあるでしょう。

このような場合も慢性的な不眠になりがちです。

病状の改善、もしくは完治が不眠解消の足掛かりになりますが、

短期間で完治する病気ではないケースが多いため、根気よく症状と向き合う必要があります。

病気が治るまで、眠れるようなら昼間に睡眠を取り、体力が落ちないようにしなくてはいけません。

(体力が落ちると病気の回復も遅くなります。

)

3.環境的要因

症状の軽い不眠症の場合は環境的要因が関係していることが考えられます。

例えば、時差ぼけです。

海外に長期滞在していると、体は滞在国の時刻に合わせた生活サイクルを覚えます。

したがって日本時間に合わせていた体内時計も狂ってしまい、

いざ日本に帰国して寝ようとすると違和感をおぼえなかなか寝付けなくなってしまいます。

無理に体内時計を元に戻そうとすると睡眠障害に拍車がかかるので、

就寝時間を少しずつ調節して眠るようにすると時差ぼけは容易に治ります。

また、新しい家に引っ越したり、寝具や照明を変えたりすることで睡眠時の環境が変わって不眠になることもあります。

特に、自分の枕にこだわりがある方は他の枕に変わっただけで寝付けなくなることが多くなります。

環境の変化に敏感に反応する方や、音や光、匂いなどに神経質な方は環境的要因と不眠が大きく関係しています。

4.生活習慣的要因

生活習慣そのものが不眠の要因になっているケースもあります。

例えば、アルコールやニコチン(タバコ類)の摂取過多、コーヒーなどに含まれるカフェインの過剰摂取、

ファストフードに偏った食事による慢性的な栄養不足、運動不足、薬の副作用などがあげられます。

アルコールなどの嗜好品は適量範囲内であれば毎日摂取しても特に健康上の問題にはなりません。

しかし、毎日過剰に摂り過ぎると寝酒を通り越して眠れなくなることもあります。

カフェインも取り過ぎると脳が興奮し過ぎて寝つきが悪くなる原因を作ります。

最近寝つきが悪いな、と感じたら摂取量をごく少量に抑えるようにするべきです。

寝つきの悪さと眠りの浅さは運動不足が関係していることもあります。

いくら寝ようと思っても体が疲れていなければ眠気そのものがやって来ないからです。

布団に入っても「疲れたな」と感じない方は、生活にもっと運動を取り入れる必要があります。

ジョギングなど激しい運動をいきなり始めても長続きしないので、

ウォーキングやサイクリングなどを毎日30分程度行うところから始めると良いでしょう。

薬の副作用から不眠に陥るケースもあります。

医師はなるべく副作用の起きないよう薬を処方していますが、人によって睡眠障害を抱えることもあります。

薬の副作用が疑われる場合はまず医師に相談しなくてはいけません。

自己判断で薬の摂取を止めると危険な病気もありますので、全て医師の判断に任せてください。

いかがでしたか。

不眠症が引き起こされる原因は様々ですが、今回は主要な要因を4つあげて解説しました。

快眠できない原因は人によって異なるため、精神的要因、身体的要因、環境的要因、生活習慣的要因にはあてはまらないこともあります。

また、1つ以上の要因が関係していることもあるので、まずは自分自身で眠れない原因についてよく考えてみる必要があります。

原因が判明すれば対処することができ、心身共にリラックスして眠れるようになるかもしれません。