羽毛布団を使用される多くの方が、羽毛布団の「臭い」問題を経験されているのではないでしょう。
新品なのに何故か臭う。収納から出したら臭い。
日本人は世界の中でも非常に臭いに敏感と言われています。
心地よい眠りを妨げる臭いを限りなく軽減し、軽くて暖かい羽毛布団を快適に使うためにはどのようにしたら良いのでしょうか?そこで、ここでは羽毛布団の臭いの原因と対処方法についてご紹介します。
1.羽毛布団の臭いの原因について
羽毛布団の臭いの原因は複数ありますが、大きく分けて、羽毛布団の品質の問題と布団の扱いによる問題の2つが考えられます。
始めに羽毛布団の品質の問題ですが、その1つ目に羽毛の洗浄不足が挙げられます。
水鳥から採取された羽毛には多くの油脂分が付着しています。
臭いの原因にはこの油脂分が大きく関わっています。
日本製の羽毛には厳しい洗浄度の基準が設けられています。
日本羽毛製品協同組合の基準値では、洗浄度は透明度50mm以上となっており、高級品として扱われる羽毛布団は洗浄度1000mm以上となっています。
しかし、海外製品の洗浄レベルについては判断が困難になります。
これは国によって品質の意識レベルが異なっているためです。
東欧の国は昔から伝統的に羽毛を扱っており、高品質で知られています。
一方、大量生産を重視している中国の羽毛ではコストカットや納期の短縮等により洗浄が不十分であるケースが多く見受けられます。
品質問題の2つ目に水鳥の種類の違い、羽毛の採取時期があります。
まず、種類についてはグースとダックの2種類があります。
一般的にダックの方が臭いが強いと言われています。
また、飼育期間が短い若鳥から採取された羽毛は成長に必要な栄養組織分等が羽に残っており、洗浄では落としきれないため臭いの発生原因となっています。
一方、成熟までしっかりと飼育されたマザーグースやマザーダックは臭いが少ない為、貴重なものとなっています。
次に、布団の扱いによる原因です。
長期間密閉された場所に保管されたことにより臭いがこもっている場合、梅雨時期の高温多湿による油脂分の溶け出しによる臭い発生の場合があります。
その他に布団カバーを付けていないために側生地から雑菌が入り込み、それが臭いの元となる場合もあります。
2.羽毛布団の臭いを取る対処方法
基本的には、未成熟な水鳥の羽毛や洗浄度の低い羽毛を含有した羽毛布団の購入は避けた方が良いですが、強い臭いを取る対策としては洗濯です。
洗濯が出来る羽毛布団であれば、臭いが消えるまで繰り返し洗います。
しかし、自宅で繰り返し洗うのは大変ですので、コインランドリーを使うと便利です。
乾燥機でしっかりと乾燥できるというメリットがあります。
但し、製品表示に洗えないと書かれている製品については、コインランドリーでの洗濯、乾燥機の使用は避けてください。
また、羽毛布団のクリーニングもオススメです。
日々使用することにより蓄積された汗、フケや垢、皮脂による汚れからくる臭いはなかなか消せません。
クリーニングであれば、確実に臭いを除去してくれます。
気を付けたいのが、ドライクリーニングです。
この方法だと羽毛の油脂分まで落ちてしまうので品質が低下する恐れがあるので注意が必要です。
定期的に天日干しを行うのも効果的です。
注意したいのは、直射日光にそのまま当ててしまうと側生地が傷みますので、シーツ等のカバーを掛けて干してください。
天日干しが難しい場合には、天候や時間に左右されない布団乾燥機が便利です。
その他に、抗菌防臭消臭加工のあるカバーの利用も臭いを抑える効果があります。
3.羽毛布団の保管方法による臭い予防
臭いの発生を防ぐには、洗濯だけではなく、保管方法が重要になってきます。
通気性の良い布生地で羽毛布団を包んで保管する、風通しの良いケースに入れる。
また、羽毛布団を購入した際に附属で専用ケースが付いていれば、そのケースを使用することをオススメします。
通気性が良く、羽毛の品質に配慮した設計となっているため、安心して保管することができます。
ビニール製の密閉された袋や収納によく使われる圧縮袋は通気性が悪い為、保管には不向きです。
しかし、収納場所が狭くケースでの保管が困難で圧縮袋等を使用する場合には、布団の使用がない時もこまめに天日干しをしたり、布団の中の空気の入れ替えをしたりすると良いです。
特に高温多湿な場所での保管は、カビや雑菌の増殖の原因となったり、油脂分が溶け出したりと臭いが発生しやすい状態になります。
その為、出来るだけ涼しい通気性の良い場所で乾燥した状態での保管が重要となります。
羽毛布団の臭い問題を解決しよう
羽毛の臭いを全てとることはできませんが、少しでも快適に長く羽毛布団を使用するために、臭いの原因を知り、対策を講ずることが必要です。
臭いが気になり、やむなく捨てることにならないように日頃から臭い対策を意識して行ってみてください。