睡眠の際にとても重要なのが枕です。
ホテルなどに泊まったときに、枕が合わなくて眠れなかった、起きたときになんだか首が痛かったという経験をしたことがある方も多いではないでしょうか。
枕には大きく分けて低反発と高反発の二種類がありますが、本当のところはどちらが枕として優れているのでしょうか?
1.低反発と高反発の違いとは?
簡単に言えば、低反発と高反発の違いは、頭を置いたときの反発力の違いです。
低反発の枕は反発力が弱く、ぐっと力を入れるとなかなか戻ってきません。
手を放したあとも、そのままの形を保って、やがてゆっくりと元の形に戻ってきます。
一方の高反発枕は反発力が強く、力を入れるとすぐに元の形に戻ろうとします。
頭を置いたときに頭の形にフィットするのは低反発枕、元の形を保とうとするのが高反発枕です。
2.低反発枕のメリットとデメリットは?
低反発枕は頭をゆっくりと包んでくれる枕なので、しっかりとしたフィット感を感じることができます。
これは高反発の枕では決して味わうことのできない低反発枕のメリットです。
また、しっかりと頭が固定されるため、寝返りを打つことができにくいので、人によっては高反発枕よりもしっかり眠れたという感じを味わうことができます。
首を支える力も強いため、首に痛みを感じている人には最適です。
また低反発枕は各メーカーがいろいろな種類を発売しているので、自分にあった商品を選びやすくなっています。
大きさや高さなども豊富で、自分の首の形や高さに合わせたものをオーダーメイドするときでも非常に選びやすいというのが低反発枕の特徴です。
ただし、低反発枕の場合には、頭がしっかりと包み込まれているため「暑い」と感じることも少なくありません。
特に夏や湿度の多い時期などは頭の周りが暑いと非常に寝苦しいもの。
低反発の枕は素材の関係で通気性も高くないため、さらに暑苦しさを感じることになります。
そうやって汗をかいたときでも、商品によっては変形の可能性があるため、本体を水洗いしたり、太陽に干したりすることもできないことがあります。
そのため、しっかりと汗を吸収してくれる枕カバーの使用が必須となります。
眠っている間にも、さらに枕が沈んでしまうということも低反発枕のデメリットです。
人間の首はS字を描いていることが理想的ですが、マットレスとの組み合わせによっては首がまっすぐになった状態で眠ってしまうことになり、そうすると首を中心に不調が生まれることになります。
3.高反発枕のメリットとデメリットは?
高反発枕の特徴は硬さにあります。
そのため、眠ってしまっているときでも頭を自由に動かすことができます。
寝ている間によく動く人や、寝返りを多く打つという人の場合には、頭が固定されているとそのたびに目が覚めてしまうものですが、高反発の枕を使用しているとそんな心配をする必要もありません。
また、寝返りを打つことで頭や首、肩などの血液の循環がスムーズになります。
眠っている間はどうしても体の水分が下にたまりがちになりますが、寝返りはそれを解消してくれます。
水分が移動しやすくなると、身体のあちこちに栄養が運ばれやすくなり、休息が取りやすくなるということもできます。
長時間同じ姿勢を取っていると身体は意外に疲れるもので、それは睡眠中も変わりませんが、高反発枕を使っていると、起きたときになんとなく身体がだるい、疲れが取れたような気がしないということも少なくなるかもしれません。
また、高反発枕は首や肩の凝り、腰痛などにも効果があります。
眠っている間でも筋肉に適度な刺激を与えることで、血液の滞留を防ぐと同時に、硬めの枕を使うことで、筋肉を最適な姿勢に保つことができるからです。
さらに高反発の枕は通気性にも優れているため、寝苦しいという思いをすることも少なくなります。
ただし、高反発の枕を使用する場合には、最初は頭が動きやすくなるため、寝つきが悪いと感じる人も少なくありません。
それまで低反発のものや、柔らかい素材の枕を使用していると、高反発枕ならではの硬さがきになることもあります。
また高反発枕は現在ではそれほど商品の数も多くないため、選択の幅が少なくなります。
たくさんの種類の中から選びたいという人には、やや不満が残るかもしれません。
また商品数が少ないだけでなく、通常の枕や低反発の枕に比べてやや高価になることもあります。
低反発枕と高反発枕の違いを知ろう
それぞれにメリットとデメリットのある低反発枕と高反発枕。
肩コリなどに対しても、使う人の体型や状態などによって、低反発枕のほうが効果的だという人も、高反発枕のほうが方が軽くなるという人もいます。
また、同じ枕でも微妙な硬さや高さの違いも身体には影響を与えます。
最初から高価格の商品を選ぶよりも、手ごろなものを購入して両方の枕を使って、自分の身体にはどちらが合っているのかを選ぶことが大切です。