毎日の生活リズムの鍵を握る睡眠。
睡眠がうまくいかなければ、とてもしんどい一日を過ごすことになります。
体の中には、生活のリズムを整えるメラトニンが分泌されています。
よりよい睡眠をとるために必要なメラトニンについてご紹介します。
1.メラトニンとは?
メラトニンとは、脳の松果体から分泌されるホルモンで、睡眠に適した体温へと体の深部体温を低下させます。
メラトニンの分泌は、外から受ける光によって調節されているので、日が沈んだころから分泌され始め朝の光を浴びて分泌が収まります。
しかし、夜中にテレビやパソコン・スマホなどの強い光を受け続けると、メラトニン分泌に大きく影響を与え、
いつまでたってもメラトニンが分泌されず質のいい睡眠がとれなくなります。
またメラトニンは、新陳代謝も促し抗酸化作用もあるので、睡眠がうまくいかないとお肌が荒れてしまったり、
疲れが取れない、免疫力が落ちて風邪をひきやすくなる。
など、体によくない事ばかり起こります。
2.睡眠環境
睡眠に適した室内環境は、室温16~26度、湿度50~60%が望ましく、
特に高齢者の場合は心血管障害予防のためにも室温は16以上の維持が必要です。
冬場の電気毛布も、冷え性の方には必要なアイテムですが、つけっぱなしで寝てしまうと体温が上がりすぎて寝苦しくなり、
よい睡眠がとれないので、就寝前後30~45分くらいだけつけて、
就寝中は切れるようにタイマーをセットしておく方が良い睡眠につながります。
また、就寝前30分ごろに入浴を済ませておくと、体温が下がり始めたころにお布団に入ると入眠しやすくなります。
睡眠時の光は、ブルー系はメラトニンの分泌を低下させるので、オレンジ系の暖色系が目にも優しくよいでしょう。
3.運動と睡眠
日中の運動は、βエフェドリン(脳内麻薬)の分泌を促し気分転換にもなります。
また日中に光を浴びることでセロトニンが増えます。
このセロトニンは、トリプトファンという必須アミノ酸から生成され、セロトニンはさらにメラトニンへとなります。
そのため、冬場の日射量が減るとセロトニンが増えずメラトニンも減ります。
そのため、いい睡眠がとれません。
冬場はできるだけ外に出かける方が、いい睡眠になります。
4.睡眠障害
睡眠障害には、いくつかのタイプがあります。
・不眠症
・睡眠時呼吸障害
・周期性四肢運動障害
・過眠不眠症には
、入眠困難
・中途覚醒
・早期覚醒・
熟眠不全があり、数日のものから何か月にもわたって続く長期のものがあります。
原因は、疾病などによるものやストレス・生活リズムの変化・薬物によるものなどあります。
睡眠時呼吸障害は、
・閉塞性睡眠時無呼吸障害
・中枢性睡眠時無呼吸症候群
・中枢性肺胞低喚起症候群
・上気道抵抗症候群があり、20秒以上の無呼吸期が何度も出現します。
日中の強い眠気や、朝の頭痛・起きた時の口の渇きがあります。
周期性四肢運動障害は、ムズムズ症候群ともいわれ、足や手がムズムズして気持ち悪く眠れなくなります。
透析患者さんや高齢者に起こりますが、カフェインのとりすぎ、日中の睡眠などでも起こることがあります。
過眠は、日中反復する居眠りが毎日のようにおこり、突然の姿勢緊張が喪失します。
ナルプコレプシー特発性過眠ともいわれます。
入眠時に、傍に人がいるような幻覚や不安感を覚えることもああります。
5.睡眠とホルモン
睡眠に必要なホルモンは、メラトニンをはじめ、コルチゾールや成長ホルモンも関わります。
コルチゾール(副腎皮質ホルモン)は、睡眠時の体内で必要な血糖値を維持するホルモンです。
コルチゾールは脳の視床下部から副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が分泌されることにより、コルチゾールの分泌が起こります。
コルチゾールは、入眠時には低く午前3時ごろから増え始め覚醒に備えます。
日中運動などでエネルギーを使うとコルチゾールも増え、睡眠の際に減って入眠しやすくなります。
成長ホルモンは、脳の疲労回復や副交感神経が優位な睡眠時に分泌されます。
睡眠がうまくとれていないと、代謝も下がり太りやすくなります。
6.快適な睡眠へ
快適な睡眠をとるには、適度な運動と日中に日の光を浴び、夜はスマホなど強い光を受けない事です。
そうすることで、質のいい睡眠をとることができて疲れにくく健康な肌や太りにくい体になります。
また、睡眠改善としてテアニン(鎮静作用)やGABA(γ-アミノ酪酸.抑制性の神経伝達物質)をとるのもいいです。
アロマオイルで、寝る際に、ラベンダーやカモミールなどの鎮静作用のあるものを取り入れたり、
起床時に覚せい作用のある、ジャスミンやペパーミントを取り入れるとシャキッとします。
いかがでしたか。
体の中で分泌されている、メラトニンなどの作用を知ってうまく分泌調節できれば、よりよい睡眠が得られます。
眠れないと考えすぎて、不安になって眠れなくなって体調を壊すのは一番よくありますせん。
どうしても眠れないときは、日常生活に支障をきたす場合もありますので、専門のお医者さんに相談されるとよいでしょう。