軽くて保温性も高い羽毛布団を選ぶ際に大切なことはなんでしょうか。
予算も重要ですが、質を見極める知識があるかどうかが大切です。
実は、商品の説明と羽毛布団に付いているタグを見れば、誰でも簡単に質をチェックすることができます。
羽毛布団は季節に応じて様々な種類がありますが、ここでは羽毛布団全般の見るべきポイントを解説します。
1.羽毛布団選びで大切なのは産地と羽毛の種類
産地は布団本体に付いているタグに記載されています。
産地として有名なのは、ポーランド、ハンガリー、ウクライナ、ロシア、フランス、ドイツ、チェコ、カナダなどです。
いずれも寒い地域で、長い質の良い羽毛が作られます。
しかし、日本で販売されている羽毛布団は、高品質のポーランドやハンガリー産のものは1割にも満たず、中国産がほとんどです。
中国産羽毛は他の産地に比べて羽が細くフェザーの羽根軸の割合も多いため、低価格ですが質はあまり良くないとされています。
記載がない場合は中国産の可能性が高いので、お店に確認しましょう。
羽毛はガチョウとアヒルの羽根から作られ、羽毛の種類としては、ダウンとフェザーがあります。
ダウンは、フワッとしていて暖かく、フェザーは羽根軸があります。
ダウンの割合が高ければ高いほど軽くて暖かいですが、価格も上がっていきます。
2.羽毛の量とダウンパワーもチェック
羽毛の量は、布団本体のタグの「組成(詰めもの)」に記載されています。
羽毛量は、使う環境によって選ぶ必要があります。
18度程度に保たれている部屋で使う場合は、シングルサイズで羽毛量が1kg程度あれば快適に眠れます。
北海道などの寒冷地でも、シングルサイズでダウン93%以上羽毛量が1.2kgの羽毛布団であれば、ストーブを付けていなくても一枚で充分暖かく過ごせます。
羽毛の量を見る際にもう一つ確認してほしいのが、ダウンパワーです。
これは、布団本体ではなく値札などと一緒に付いていたり、布団ケースに付属しています。
「DOWNPOWER 440dp」などと記載されています。
あまり聞き慣れない言葉ですが、羽毛の膨らみを数値化して表示しています。
昔で言う「かさ高」のことです。
ダウンパワー値が大きいほどふっくら暖かく、高品質な羽毛であることを証明しています。
440dpはかなり高数値なので、4つ折りにすると形状を保てない程ふっくらしています。
390dp以上であれば、冬に使う羽毛布団として合格レベルです。
記載がない場合は、店員さんに確認しましょう。
3.羽毛布団の生地と縫製の方法も確認
使っている生地は、布団本体のタグの「組成(ふとんがわ)」に記載されています。
外側の生地も綿100%やシルク素材のものは少なく、ポリエステルやレーヨンなどの素材や化学繊維か綿との合繊が増えました。
シルクは、調湿効果があるので羽毛布団の生地には最適ですが高価です。
合成繊維は価格を安く抑えられますが、静電気が起きやすくなったり、生地の質が悪いとフェザーが飛び出しボリュームが減る要因にもなります。
あまり知られていないのは、縫製の方法も重要な鍵を握っているという点です。
縫製が良ければ、保温性を最大限発揮できます。
縫製の方法は3つあり、平キルト、立体キルト、特殊立体キルトです。
平キルトは、表と裏の生地を直接縫い合わせているので、縫い目の部分にダウンがないので保温力が落ちて寒く感じます。
立体キルトは、縫い目にまちがあるので平キルトより暖かいですが、縫い目のダウンが薄くなるので寒く感じる場合があります。
特殊立体キルトは、平キルトと立体キルト以外の縫製です。
ツインキルトという二層式のものがその一つですが、表と裏の真ん中に生地を入れ2層に分けていて、表と裏で縫い目が重ならないようになっています。
薄くなる部分を分散しているので暖かさが増しますが、生地が増える分少し重くなり手間がかかる分価格が高くなります。
縫製について布団本体のタグには記載されていませんが、記載されたものが布団に付属している場合は確認できます。
縫製について記載がない場合、お店に確認しましょう。
実際に店頭で横になって重さや肩口がフィットするかなど使用感を試すと良いでしょう。
5.羽毛布団はモノによって価格が大きく違うのはなぜ?
毎年、羽毛の価格は上がっています。
それは、ダウンジャケットなど羽毛が多く使われるようになり、布団に使用する羽毛が品薄になってきたからです。
15年前の羽毛布団はシングルサイズで5万円も出せば質の高い物を買うことができましたが、今は同じレベルの物を買おうとすると10万円以上出しても買えないという状況になっています。
羽毛布団は、2万円程度の手頃なものから百貨店などで販売する30万円以上の高級なものまで幅があります。
この価格の差についていくつかのポイントがあります。
有名メーカーが作っていると安心ですが、その分高くなります。
羽毛は質の関係上、ハンガリーなど有名な産地ほど高く、中国産は安くなります。
アヒルよりグースが高く、ダウンの割合が多ければ多いほど高くなります。
生地はシルクが一番高く、百貨店等に行かなければ手に入らない高級品です。
縫製は、平キルトが一番安く、手間のかかる特殊立体キルトが高いです。
ダウンパワーは価格に比例しない場合があるので、詰めものや価格が同じ程度で悩んだ時は、ダウンパワーが高い方を選ぶと良いでしょう。
最高の羽毛布団を手に入れよう
羽毛布団はメーカー・産地・ダウン率・羽毛量・ダウンパワー・生地縫製によって、暖かさや軽さと価格に違いが出ます。
羽毛布団の寿命は5年程度と言われていますが、質が良ければ手入れによってさらに長く使う事ができます。
羽毛布団に付いているタグや商品説明を確認し、自分に合った羽毛布団を選ぶようにしましょう。