羽毛布団は保温性に優れているので、羽毛布団をかけるだけでも十分にあたたかいのですが、それだけではもの足りない、毛布も一緒に使いたいという方もいらっしゃるでしょう。
羽毛布団と毛布を一緒に使って、もっとあたたかくして眠りたいという場合、羽毛布団と毛布はどの順番でかけるのがよりあたたかくなるでしょうか。
実際に使っている人に聞いてみると、人によって、羽毛布団が上だったり、毛布が上だったり、いろいろと意見がわかれます。
そこで、今回は、羽毛布団と毛布を使う時の正しい順番や使い方について解説します。
1.羽毛布団を下にし、毛布が上の方があたたかい
寒い日の夜、冷えた布団に肌が触れると、一気に眠気も飛んでしまいます。
布団に入ってからしばらくは、布団があたたまるまでじっと我慢することになります。
布団に入った瞬間には、肌に直接触れるものが羽毛布団よりも毛布のほうが、あたたかいような気がします。
しかし、実際のところ、羽毛布団と毛布のどちらを上にしたほうがあたたかいでしょうか?
これについては、羽毛布団が持っている保温効果を十分に発揮する条件を考えてみると、羽毛布団の上に毛布をかけたほうがあたたかいと言えます。
というのも、羽毛布団の場合、羽毛に包まれたたくさんの空気が、体温によってあたためられることで布団全体があたたまります。
つまり、羽毛布団が直接眠る人の肌(体温)に触れていることが、あたたかい状態をつくるために大切です。
要するに、羽毛布団と眠る人との間に毛布をはさんでしまうと、体温が羽毛に伝わりにくくなってしまい、結果として、羽毛布団の保温機能を最大限に引き出すことができなくなってしまいます。
このことから、羽毛布団が下で、その上に毛布をかけたほうがあたたかいということになります。
2.毛布はかけるより敷くほうがよい
確かに羽毛布団の上に毛布をかけたほうが、羽毛布団と眠る人の間にはさむよりあたたかい状態が作られます。
しかしその保温効果を持続させるという面から考えると、実は毛布を羽毛布団の上からかけることはあまりオススメではありません。
羽毛布団は、羽毛がたくさんの空気を包み込み、その空気を体温であたためることで、保温効果があります。
そして、そのあたたかさを持続させるためには、羽毛が包み込む空気の層がつぶされずにキープされることが必要になります。
しかし、羽毛布団の上に毛布をかけると、軽い羽毛は毛布の重たさでつぶされてしまいます。
羽毛にはもっとたくさんの空気を包み込むことができるのに、上から毛布を乗せられることで、その重さによって包み込める空気の量が減ってしまいます。
これにより羽毛布団が本来持っている保温機能を持続することができなくなってしまいます。
せっかくあたためた羽毛布団の空気が毛布によって損なわれてしまうのでは、毛布を使ったかいがありません。
それでは、どうやって羽毛布団の保温効果を損なわずに毛布を使ったらよいのでしょうか?
毛布を羽毛布団の上にかけるのではなく、体の下に敷くことがもっともあたたかさを効率的に高め、持続させると考えられます。
羽毛布団は上から押しつぶされないので、本来持っている保温効果を持続して効果的に発揮することができます。
また、毛布が体の下にあることで、下からの冷気を遮断してくれ、上からのあたたかさを受け止めてくれるため、保温効果がよりアップします。
布団に入った瞬間の、あのヒヤッとする冷たい感じも軽減されるため、眠る前から感覚的によりあたたかく感じることもできます。
3.天然素材の毛布なら羽毛布団の下でもよい
毛布を下に敷いたほうがあたたかいとしても、毛布を敷きパットの代わりのようにするのには抵抗があるという方もいらっしゃるかもしれません。
そういった方の場合は、毛布の素材そのものを見直してみるのもひとつの方法です。
毛布をアクリルなどの化学繊維ではなく、ウールやカシミヤ、シルクなどの天然素材のものにしてみましょう。
こうした天然素材の毛布であれば、毛布そのものの保温性や吸湿性放湿性に優れています。
羽毛布団との間にかけても、それほど羽毛布団の保温機能を損なうことはなく、羽毛布団にも体温の熱を伝えてくれます。
また、保温性の高い天然素材の毛布であれば、羽毛布団同様、肌に触れるようにかけたほうが、より保温効果を発揮します。
羽毛布団と毛布の素材と効果を見極めながらより快適な睡眠時間に
今持っている羽毛布団と毛布で効果的にあたたかくするためには、毛布を敷きパットの代わりとして使うことをオススメします。
羽毛布団が直接肌に触れるのだと冷たくてなかなか寝付けないという方は、毛布の素材を見直してみるのもよいかもしれません。
実際のところ、自分がもっとも快適に感じる睡眠をできるのが何よりも一番大切です。
今回ご紹介した羽毛布団と毛布の保温機能や効果を参考にしながら、より快適な睡眠時間を過ごしてください。