眠りたいのに布団に入ってもなかなか眠気が訪れず、
十分な睡眠が取れないまま朝を迎えている方は意外と多いのではないでしょうか。
睡眠は身心の疲労を回復し、健康的な毎日を送るために欠かせません。
今回は安眠を得るために効果のある飲み物についてまとめてご紹介します。
1.ホットミルク
牛乳の成分に含まれるトリプトファンという必須アミノ酸には神経を落ち着かせる効果があります。
これは、トリプトファンが催眠物質であるメラトニンが脳内で生成される手助けをするからです。
さらに、牛乳は栄養価が高く空腹を満たす効果があるので、
就寝1時間前にカップ1杯の牛乳を飲むだけで適度な満腹感を得て睡眠状態に入りやすくなります。
牛乳を温めてゆっくり飲むことで体が温まり、心身共にリラックスすることができるでしょう。
その日の気分によって少量のココアパウダーやハチミツを加えて味に変化をつければ飽きることもありません。
牛乳の独特の匂いが苦手な方は、チーズやヨーグルトなど他の乳製品を白湯と共に摂取することで代用することが可能です。
ただし就寝前なので、摂取量に気を付けないと肥満の原因になります。
低脂肪または無糖タイプがオススメです。
乳製品は基本的にカロリーが高いので、ダイエット中の方は避けた方が無難です。
また、体質的に牛乳を飲むとお腹がゆるくなってしまう方は、無理をして牛乳を飲む必要はありません。
2.ホットソイミルク
豆乳は牛乳の代用として十分活用できる飲み物です。
タンパク質を豊富に含み、各種ビタミンやイソフラボン、トリプトファンも含まれています。
市販されている豆乳は数種類ありますが、最も栄養価が高く安眠効果が優れているのは成分無調整タイプです。
ただし、成分無調整だと味や香りがきついという方は調整タイプでも代用できます。
豆乳も牛乳と同じく就寝1時間前にカップ1杯分を温めて飲むことでメラトニンの生成を促進させる効果があります。
豆乳単体では飲みにくい方は、少量のココアパウダーを振って風味を変えたり、
蜂蜜や甜菜糖で甘味をつけたり、少量のバナナとミックスしてシェイク風にしてシナモンを振ると飲みやすくなります。
(ただし、カロリーが上がるので過剰摂取は避けましょう。)
豆乳も牛乳も冷たい方が飲みやすいと感じることがありますが、必ず温めて飲んでください。
冷たいまま摂取すると冷え性の方はますます体が冷えて寝付けなくなります。
冷え性ではない場合でも、冷えた体を温めようと体が活動状態に
突入してしまうので余計眠れなくなってしまいます。
3.生姜豆乳
就寝時に手足が冷えてなかなか眠気が訪れない方には生姜豆乳がオススメです。
豆乳に含まれる大豆ペプチドには実は体を冷やす作用があるのですが、
生姜の辛味成分であるジンゲロンとショウガオールがこの作用を打ち消し、体を内からあたためてくれます。
豆乳に含まれるトリプトファンによるメラトニンの生成促進に加えて、
冷え性を解消することができるので生姜豆乳は安眠効果の高い飲み物と言えるでしょう。
大豆に含まれるイソフラボンは女性ホルモンに似た働きをするため、
毎日多量に摂取するとホルモンバランスを崩して肌荒れを招く可能性があります。
生姜も過剰摂取すると胃が荒れる原因になります。
冷えからくる睡眠障害の対策として飲む場合は、
温めた豆乳カップ1杯に生姜を一欠けらすりおろして加えるだけで十分です。
また、生姜豆乳にハチミツを適量加えると甘味が出て飲みやすくなると同時に、
ハチミツの糖分がトリプトファンをスムーズに脳へ運んでくれるので眠気が更に訪れやすくなります。
4.カモミールティーとラベンダーティー
カモミールとラベンダーのハーブティーにも安眠効果があります。
カモミールは「森のリンゴ」と称される香りを持つハーブで、
心身の緊張を和らげリラックスさせる薬効が認められています。
また、カモミールには鼻づまりを和らげる効果もあるため、
花粉症で鼻がつまって寝つきが悪い時にも有効です。
ラベンダーの香り成分は酢酸リナリルやリナロールと呼ばれており、
これらもカモミールと同じ薬効があります。
ハーブティーの最大のメリットはほとんどノーカロリーだということです。
ですからダイエット中の方でもカロリーを気にせず就寝前に摂取することができます。
ハーブティーが苦手で単体では飲みにくい方は、少量の牛乳を加えてミルクティーにしたり、
ハチミツで甘味を付けたりすると飲みやすくなります。
ラベンダーティーは濃いと苦み・渋みが強くなるので薄く淹れてください。
味が苦手な場合は他のハーブとブレンドしたり、甘味を付けたりすることで口当たりが良くなります。
カモミールやラベンダーには優れた安眠作用がありますが、妊娠中の方や乳幼児は飲用できません。
カモミールには子宮の収縮を促す作用があるため妊娠合併症を誘発する可能性があり、
ラベンダーは出血の原因となる可能性があります。
また、乳幼児の場合は皮膚炎を誘発する可能性があります。
5.ホットココア
ココアに含まれるテオブロミンという成分には自律神経を整え、心身の緊張を緩和する効果があります。
また、ココアの甘く香ばしい香りには高いリラックス効果が認められています。
お湯に無糖のココアパウダーを溶かしてホットココアを作っても安眠効果が得られますが、
温めた牛乳や豆乳を使用するとより効果がアップします。
これは、タンパク質が分解されてできるオピオイドペプチドという物質が体の中枢・抹消神経に作用し、
神経を落ち着かせて安眠へ導いてくれるからです。
さらに、糖分は疲労回復の効果があるので甘すぎない程度に砂糖やハチミツを加えても良いでしょう。
いかがでしたか。
快適な眠りにつくためには、まず心身をリラックスさせる必要があります。
次に体を内側から温めることです。
上記でご紹介した飲み物は全て身近なものばかりですので、ご自身の体に合っていると思ったものを手軽に試していただけます。
眠れないけれど睡眠導入剤のような薬に頼りたくないという方はぜひ実践してみてください。
睡眠の質を高め十分な睡眠を得るためには、睡眠導入効果の高い飲み物を有効に活用すると良いでしょう。