一日の疲れを取り、身体に休息を与える睡眠。
睡眠と健康は大きな繋がりがあり、安眠できることが健康面にも大きな効果を発揮します。
しかし近年では、寝入りが悪い、眠りが浅いなどの症状を感じている人が増加ています。
ストレス社会と言われる現代では、日々の疲れやストレスが抜けきらないまま忙しい日常を過ごしがちです。
誰にでも出来る、安眠をする為に効果的な方法をまとめてみました。
1.就寝前の環境作り
睡眠と体温は大きく関連しています。
幼児は眠くなると手足が温かくなります。
これは体温を手足から発散させ代謝を下げている状態です。
つまり「体温が下がる=睡眠に就きやすい状態」となっているのです。
実は大人も同じことが起こっています。
例えば真冬などに床に就き、身体の末端の足先まで温まってくると段々と眠くなってくる、これが赤ちゃんや幼児と同じ状態です。
身体の表面、末端から体内の熱を発散させ、体温を下げている状態にあります。
睡眠に何らかの支障が起きている場合、この体温の変化をサポートしてあげることで、安眠へと近づくことが出来ます。
体温を下げようとするには、一度適度に体温を上げなくてはならないのですが、よく耳にするのが「適度な運動」ではないでしょうか。
運動をしてゆっくりと体温を上昇させ、その後約2時間ほどで体温は下がり始めるのですが、そのタイミングで眠りに就こうと言う訳です。
効果的なのは、ストレッチやヨガ、ジョギングやウォーキングといった有酸素運動です。
ストレッチやヨガは自宅にいながら、しかも静かに行う事が出来るので万人に向いた有酸素運動と言えます。
半身浴も効果的です。
就寝予定の約2~3時間前に敢えて体温を上げる事で、普段よりスムーズに眠りに就きやすくなります。
2.就寝時の環境作り
就寝時と睡眠中の環境も、寝入りや睡眠の質へ影響を与えています。
体内時計という言葉が有りますが、人の身体は太陽の眩しい光を受けて体内時間のリセットをします。
光を受けた脳がメラトニンと言う睡眠ホルモンの分泌をストップする事で体内時間が一周し、リセットされるのです。
つまり、光と睡眠も大きな関係がある訳です。
就寝時にせっかく体温が下がっても、その環境が寝入りにくい状態であれば安眠にたどり着くことは有りません。
就寝時には脳からの睡眠ホルモンの分泌を妨げないようにした環境づくりも大切です。
就寝時には目を閉じた状態でリラックスできるように環境を整えてみましょう。
布団に入り、瞼を閉じた時に眩しいと感じるような状態ではストレスを感じてしまいます。
これは睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌を妨げてしまい、安眠は出来ません。
就寝時にはスタンド等の間接照明の明かりを落としたり、眩しさを感じない環境を作ります。
明かりは無い方が良いといえますが、安全面なども有りますから常夜灯(豆電球)程度の明かりで就寝するのが望ましいと言えます。
お仕事などで夜型の生活をしている方は、遮光カーテンをして日中の明るい光を遮り睡眠に向いた環境を作ることも必要です。
3.睡眠に効果のある食品の摂取
環境を整えても眠り就きにくい場合は、眠りに効果のある食品を摂ることも安眠への近道になります。
特別な食材を用意する事も無く、一般的な食材でも睡眠に効果のある物は多くあります。
数年前に「レタス牛乳」が安眠に効果があるとメディアで取り上げられたことが有りました。
これは、レタスの芯に多く含まれる「ラクッコピコリン」という物質に眠気を促す効果があり、
牛乳に含まれる「カルシウム」は情緒を安定させる効果、「トリプトファン」は、
神経伝達物質でもある「セロトニン」と睡眠に欠かせない「メラトニン」を作り出す効果を持っている為、
ダブルで効果を発揮し安眠への即効性も高まるという事です。
作り方もとても簡単です。
①レタス数枚(芯の部分を多めに)を小さ目に千切り、コンソメや鶏がらスープで味を付けた少な目のスープで一煮立ちさせる。
②牛乳を加えて更に一煮立ちさせる。
牛乳にも含まれているトリプトファンは、チーズ・バナナ・大豆製品・蜂蜜にも含まれています。
また、ビタミンも安眠に効果のある栄養素です。
特にビタミン12は、睡眠リズムを正常にする効果があり、アサリ・シジミ・鳥のレバーなどに多く含まれています。
4.リラックスと安眠快眠グッズ
安眠の妨げとなっている要因を特定する事も、安眠を得る方法の一つです。
心配事やストレスが要因となり安眠出来ない、肉体的疲労が要因で安眠できない、
住まいの環境や室内のレイアウトが要因となり安眠できない等、人により置かれた環境も違いがあり、安眠の妨げとなっている要因も様々です。
何故安眠できないのかを明確にする事で、より安眠に近づく事が出来ます。
状況に合わせた安眠グッズを利用して、より就寝しやすい環境を作り上げる事も効果的です。
心配事やストレスが大きければ、就寝前にヒーリング音楽をかけてリラックス出来る環境を。
肉体疲労の改善には、枕やマットレスを体に負担がかからない高機能な物に新調する。
住環境が悪ければ、防音効果のあるカーテンを引き外からの騒音を抑える。
レイアウトは配置変更をして、より過ごし易く就寝しやすいレイアウトに。
それぞれの要因にあった対策をして、体内時間や睡眠に必要なホルモン分泌の改善を図ります。
また、就寝1時間前から室内の照明を落とし、ヒーリング音楽をかけ気分を落ち着かせる事で身体に眠る準備をさせる方法もあります。
メラトニンの分泌を妨げることなく就寝しやすくなる効果があります。
睡眠儀式の様でもありますが、どの原因の場合にもとても効果的な方法です。
いかがでしたか。
安眠するために行う方法は幾つもありますが、全ての方法が体温や睡眠ホルモンなどの体内の働きと関係しています。
安眠を得るためには規則正しい生活と適度な運動、栄養バランスを考えた食事が大切な訳です。
そして自分の状態に合った対処法で、より良い寝つきや質の良い眠りを得られるように工夫していくことが必要です。
生活の中の小さな部分から不摂生を見直して行くことで、毎日深い眠りで翌朝はスッキリと目を覚まし、
心身共にリフレッシュされた状態で一日のスタートを切り、心身共に健康的な生活を送ることが出来るのです。